北海道全停電(ブラックアウト---本年9月胆振地震時)の教訓

今年9月6日深夜の北海道胆振東部地震発生から18分後、北海道全体が停電した事故の原因究明と再発防止策の検討を依頼された検証委員会の最終報告が12月22日に確定し公表されました。なお、全停電から全体が復旧するのに45時間を要しています。
地震発生からブラックアウトに至る18分の経緯は下の図表に要約されています。
(図をクリックすると細かい字も読めると思います。)
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北海道全土が停電(ブラックアウト)になったのは、
1)震源地に近い苫東厚真火力発電所1、2、4号機の停止
2)それまで道東の水力発電所が道央に送電していたのが、地震により狩勝幹線(送電線)が地絡し、道央と一時分断され、道東の周波数が急上昇した(道東で需要より供給が過剰になった)ため、水力発電所が停止した
この1)2)を複合要因としています。
一時、本州からの融通等で周波数は回復させたが、苫東厚真1号機が停止すると、周波数調整機能が発揮できず、ブラックアウトに達したと述べています。
当時、需要309万kWに対し165万kWの供給を苫東厚真発電所に依存していた一極集中が問題であったとともに、周波数調整機能を有する京極揚水発電所(20万kWx2台)が作業のため停止していたことも不運な状況を作っていたといえます。

北海道は冬の電力需要がピークになるので、今冬の再発防止策として、
1)受給アンバランスが生じた時に、負荷遮断する量を35万kW追加
2)京極揚水発電所の運転を前提とした苫東厚真3台稼働
3)周波数が47Hz以下に低下した場合でも、需要の30乃至35%以上運転継続が可能な電源を確保
を掲げています。泊原子力発電所の再稼働時期が見通せない中で中長期対策としては
1)本州との連携容量を現在の60万kWから90万kWに設備増強
2)石狩湾新港LNG火力発電所の新設
が以前から進められており年度内に完成するそうです。

北海道全体の停電と言っても、利尻島や礼文島など、送電系統がネットで繋がっていない所は停電していないのですから、将来は地域ブロック毎に連鎖反応を防止することも考えなければいけないのでしょう。

画像また、全停電の2日間、北海道を本拠とするコンビニエンスストア「セイコーマート」は、電気自動車バッテリーから電気を取り出して、レジとLED電灯を生かし、ガス炊飯器で握り飯を作って100店舗で営業を続け、緊急時の食料供給に貢献したと言われています。電気に全面的に依存している現代社会にあっては、いざという時のための「自助」努力も大事かも知れません。写真は我が家のプラグインハイブリイド(PHEV)車の非常時電源取り出し口です。

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