どうする日本のエネルギー

画像一週間前になりますが、「どうする日本のエネルギー」シンポジウムが東大武田ビルで開かれ話を聴きに行きました。山名京大教授の基調講演の後、奈良林北大教授、松井エネルギー総合研究所理事、小野章昌氏(資源アナリスト)、阪大学生も加わってパネルディスカッションが行われました。山名氏の講演の要旨は次のような内容でした。
・政府・メディア・一般層の脱原発大合唱の中で、技術・システムが開発途上で不確実な「再生可能エネルギー」に突然乗り換えるのは危険
・過度な原子力削減は、火力発電依存度を増し、化石資源輸入が増え、エネルギー安全保障リスクが大きくなり、燃料代高騰リスクは電気代上昇・ユーザー負担増のため産業の競争力低下、ひいては国力低下に繋がる
・固定価格高値買取等による再生可能エネルギー大量導入は、電気代が上昇しユーザー負担が増加。不安定な出力への技術的課題も多く、慎重に見極めながら進める必要がある。
・原子力発電が社会に受け入れられるには、組織信頼回復や規制行政の改革を加速し、冷静な国民判断を熟成させる時間を確保した上で、政治・行政が原子力の「必要性」「安全性」「組織信頼」「安心」を国民に提示していく必要がある。
パネルディスカッションでは、奈良林氏等から「福島事故の教訓を反映した安全確保対策が着実に実施されており、原子力発電所の安全は確保出来る」、小野氏からは「ドイツやスペインでは、再生可能エネルギー固定買取制度が破綻を来している。日本の太陽光、風力発電等の計画は実現不可能な無理な計画だ」との意見が出されていました。学生からは「学生の原子力離れの実態」の説明がありました。「東大原子力専攻23人のうち、原子力分野に就職したのは2人だけ。しかし、阪大は4割、京大は3割が原子力関係機関に進み、以前と大きな隔たりはない」「原子力関係機関に進む学生は、その理由として、”事故を経験した日本で原子力に貢献することで国際社会に貢献できる””原子力は高度な技術を要求されるので、自分自身高い技術を習得出来る”等を挙げている」「原子力に関しては科学だけでは答を出せない問題群が存在し、科学と政治を包括したトランスサイエンスが求められる時代なのではないか」といった議論がなされました。

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