自然エネルギーの限界

画像福島原発事故の影響で、日本の電力エネルギー源を自然エネルギーに転換する動きが急である。自然エネルギーは大いに促進したらよいが、その果たせる役割には限界がある。資源エネルギーアナリスト小野章昌氏(元三井物産)は、自然エネルギーへの”神話”に疑問を呈し、「自然エネルギーの限度」を述べている。
・神話1---倍々ゲームでは伸びない:ドイツ/デンマークでは風力が3年前に発電量の6.4%/19%に達したが以降停滞している。電気の質が保てないことが主因。
・神話2---地域を広げても自然エネは天気任せ:ドイツでは冬の大寒波到来時(クリスマス・正月)1週間にわたって発電ゼロの日が続いた。アイルランドの風車も連続5日間凪状態が続いた。
・神話3---コスト低下には限界がある:太陽光発電投資61万円/kWのうち、3分の1が付随機器と設置工事費であり、仮に太陽電池が6分の1のコストになっても、ローテクの残り部分は下がらないので、61万円は約半分にしか下がらず、他のエネルギー源に比べ高コスト。(菅総理発言は場当たりの不勉強。)
・神話4---全量固定価格買取制度は万能ではない:ドイツは2000年から制度を導入したが、既に消費者は4円/kwh(月額2000円)の負担増になっている。この制度をやめても消費者の20年間にわたる長期債務は10兆円を上回る。
・神話5---電力自由化で自然エネが増えるわけではない:自然エネは商品としての競争力を備えてなく、自由化には一番不利。
・神話6---技術進歩でも稼働率は変わらない:太陽が照る時間は一定で、風が吹く時間も限られるので発電量は限られる。(写真は米国向けM重工製の風車群、広大な敷地と良い風況で成り立っている)
・神話7---ドイツは模範ではない:ドイツは、発電の50%を石炭に頼っている。
福島原発の事故初動操作に失敗した菅総理は、その責任の目をそらせるため世論受けを狙って脱原発を標榜、自然エネルギー依存政策に宗旨替えを諮り、目下国内の電力供給を混乱に陥れている。多くの大企業が工場を海外に移しつつある。政権しがみつきのため、大衆受けしそうな夢を語っても量的な裏付けの無い政策で日本を壊そうとしている感が強い。政策舵取りの失敗は、後で後悔しても元には戻れない。

この記事へのコメント

でも原発や化石燃料発電依存から脱却してほしい
2011年07月19日 09:50
そうですよね、蓄電システムをなんとかしないと、天気に依存では・・・・・蓄電システム「宇宙戦艦ヤマトI」メーカー代表です
足短かおじさん
2011年07月20日 21:04
蓄電池は価格を大幅に下げ、寿命を長くする技術のブレークスルーがないと、自然エネルギー増大に対し電力系統を安定化させる決め手にはなりにくいかと思われます。太陽光発電が目標2800万kWの3分の1を超えると抜本的な系統安定化対策が必要とのことです。

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